こんにちは、お疲れ様です。
今回は、「見えない血管の見つけ方は?失敗なく刺せる方法やコツについて」というお話をしたいと思います。
看護師の登竜門とでもいうべき注射や採血は、新人の頃は本当に緊張するし技術もまだまだですので、毎日生きた心地がしなかったのを覚えています。
「仕事がデキる看護師=注射が上手」という公式が、なんとなく暗黙の了解で出来上がっており、やはり注射が上手に越したことはないよな~と、常々思ったものです。
さて、そんな私も看護師歴は20年を超えました。
新人の頃はダメダメだった私も、そこから性根を鍛え直し、慢性期病棟でお年寄りの血管ばかりを注射したり、透析室で無心にシャント穿刺を行ったことによって、格段に成長することができましたよ。
そこで今回は、見えない血管の見つけ方や失敗なく刺せる方法やコツについてお伝えしたいと思います。
もくじ
見えない血管の見つけ方は?
理想的な静脈血管というのは、
・弾力がある
・表在性である
・太さがある
これらが条件に当てはまるかと思います。
ほかには、血管ではありませんが皮膚に張りがあるのも重要です。
条件がすべてそろっている血管ばかりなら苦労はしませんが、現実はなかなか厳しいですよね。
若い人の中にも、びっくりするほど見えない血管をお持ちの方もいらっしゃいます。
そんな、一見見えない血管を見つけるにはどうしたら良いのでしょうか?
それは以下の方法が挙げられます。
私が実際に、慢性期病棟や健診で採血をしていたときにおこなっていた内容ですので、よろしかったら参考になさってみてください。
腕を心臓より下の位置にして、前腕をよく触ってみる
腕を心臓より下に持ってくることで、血管がより怒張します。
寝たきりの患者さんですと、たいてい臥位で注射しますから難しいかもしれませんが、座位で行う時などは注射台の高さに注意しましょう。
そして駆血帯を巻いたら、まずは前腕全体を指で触ってみます。
指の腹に神経を集中させて、血管がどこにあるのか何となく観察するのです。
駆血帯を強く巻きすぎるのは逆効果
血管を浮き出させようとして、駆血帯をめちゃくちゃ強く巻く看護師がいますが、これは逆効果です。
強く巻きすぎることによって、皮膚が赤黒く変色してしまい余計分かりずらくなってしまいますし、動脈をも圧迫しかねません。
なにより患者さんに苦痛を与えてしまいますから、ほどほどの強さで巻けば十分です。
橈骨動脈が触れるくらいでOKだそうですよ。
ぺシぺシ叩くのも良くない
よく血管を探す際、ぺシぺシと腕を叩いて探す看護師を見かけましたが、これも良くありません。
皮膚を内出血させてしまったり、患者さんに不快な思いをさせてしまうからです。
ほんの少し軽く叩くくらいならいいと思いますが、血管を見つけることに必死になってぺシぺシと強く叩くのはやめておきましょう。
前腕の静脈の走行パターンは、たいてい同じなので頭に入れておく
手の甲などは個人個人で違うイメージがありますが、前腕の静脈の走行パターンは、たいていが同じようなパターンです。
ですので、走行パターンをおおよそ頭に入れておき、見えない場合でも触ってみましょう。
血管の弾力に気が付くことがあります。
前腕の皮下静脈1
走行パターンは主に3種類。血管は末梢へいくほど個人差が大きくなる。 pic.twitter.com/CO5InuaoIA— OJ★ (@jun0426) October 19, 2017
皮膚とは違うわずかな感触(弾力)を見極める
ほんの少し押さえながら指をずらしていくと、静脈の走行パターン上に、皮膚とは違うわずかな弾力があるはずです。
これはもう、人差し指と中指の感覚を鍛えるしかありませんが、数をこなしていくと「あ、このことか」と分かるときが来ると思いますので、経験値を積んでくださいね。
注射を失敗なく刺せる方法やコツ
なるべくまっすぐな血管を選ぶ
やっと血管が見つかっても、蛇行していたり途中で極端に細くなっている血管は選ばない方が賢明です。
よっぽどのベテラン看護師なら刺せるかもしれませんが、注射に自信のない看護師は無理はしない方がいいかと思います。
サーフローを親指と人差し指でつまむような形で持つ
あまり針に近い部分を持ってしまいますと、刺した時のバックフロー(血管に入ったときに現れる血液の逆流)が手で覆われて見えなくなってしまいますので、白いプラスチック部分を持つようにすると良いでしょう。
刺した時に針の先端がどこに到達するか確認する
見つけた血管の上に針を当て、刺した時に針の先端がどこに到達するのかを確認します。
注射は刺したら終わりではなく、そのまま針を進めて静脈内に留置しなければなりませんので、血管の曲がり角などに先端が到達してしまいますと、輸液の落下が悪くなることがあるからです。
皮膚に張りを持たせてから刺す
若い人はたいてい大丈夫だと思うのですが、お年寄りですと皮膚が極端にシワシワだったり、皮が伸びている場合があります。
そういった場合、皮膚をもう片方の手でよく伸ばしてから刺すようにしないと、刺したときに皮膚と血管がずれてしまい、外してしまうことがありますので注意してください。
少し角度を付けて刺したら、ほぼ平行に進めていく
あまり角度を付けすぎますと、血管を突き破ってしまいますから、針を刺してバックフローを確認したらほぼ平行にし、そのまま外筒のプラスチック針のみを血管内に進めていきます。
きちんと血管内に入っていれば、プラスチック針は抵抗なくスッと入っていくはずです。
もしもこのとき、思うように入っていかなかったり、腫脹してくるようなら無理やり進めるのはやめましょう。
血管壁に当たっていたり、針の角度がマズく血管を破った恐れがありますので、ダメそうなら抜針します。
思うようにプラスチック針が入っていかない場合は、もしもすぐに先輩やベテラン看護師を呼べる環境なら、もしかしたら軌道修正してもらえるかもしれません。
しかし、腫脹している場合には厳しいので、抜針した方が良いといえます。
駆血帯を外すのをお忘れなく
プラスチック針がうまく入り、「よっしゃ~!!」と思って、駆血帯を外さないで内筒の穿刺新を抜いてしまったら、血液が勢いよく流れ出し大変なことになります。
内筒の穿刺針を抜く前に、必ず駆血帯は外しましょう。
また、1人で穿刺をする場合には、ルートの接続も自分でしなくてはなりません。
モタモタしていると、たとえ駆血帯を外したとしても血液はどんどん逆流してきてしまいます。
そんなときは、穿刺部の少し上の静脈部分を軽く指で押さえれば、逆血はゆっくりになりますので、そのすきに手際よくルートを接続しましょう。
何はともあれ経験値を積む
私もそうだったのですが、いくら教科書で勉強したり先輩から話を聞いて教わっても、実際自分が経験して感覚を覚えていかなければ、注射の上達は難しいと思います。
注射歴1か月の看護師と注射歴30年の看護師とでは、やはり経験した数が違いますよね。
その分失敗もするでしょうし、嫌な思いもするでしょうが、経験は裏切りませんので絶対に自分にとってプラスになると思います。
慢性期病棟に勤務していたころ、もともと血管が細くて見えにくいのに、さらには全身が浮腫状態だというお年寄りがいたのですが、案の定その当時の私は注射を成功させることができませんでした。
そこで、自分の母親と同じ年齢くらいのベテラン看護師さんにお願いしたところ、「私も老眼だもんで入らんかもしれんよ~」といいながらも、ものの数分で入れてくださいました。
やはり、経験値がすごいんだなと感じましたね。
⇒看護師の注射は練習(経験)あるのみ!苦手克服に役立った方法3つ!
おわりに
注射は失敗ばかりですと自信をなくしてしまいますから、はじめは刺しやすそうな患者さんから挑戦してみて、まずは「自信を付ける」ことが何より大切かもしれません。
自信が付くと迷いがなくなりますから、おのずと成功する確率も上がっていくと思いますよ。
慣れるまでは怖いかもしれませんが、勇気を出してトライし、経験値を積んでくださいね。
今回は私の経験をもとにお話しましたので、トライしていくうちに「自分はこの方法のほうがやりやすいな」というものが見つかれば、どんどん自分のやり方で腕を磨いていってくださいね!
応援いただけると嬉しいですm(__)m
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