こんにちは、お疲れ様です。
今回は、「透析室看護師の役割は?臨床工学技士との違いや特徴についても!」というテーマについてお話させていただきます。
透析分野は患者の増加に伴い、今後ますます看護師の必要度が増していく分野だといえます。
また、看護師の資格を持っているからと言って誰でもすぐに働ける分野ではありませんから、透析看護師の需要はますます増すのではないでしょうか?
私は4年ほど透析室で働いたことがあるのですが、病棟などとはまったく違う医療行為や看護をしましたよ。
そんな特殊な分野で働く透析看護師の役割とは、一体どのようなものがあるのでしょうか?
同じ分野で働く臨床工学技士との違いも気になるところです。
そこで今回は、透析看護師の役割や臨床工学技士との違いなどについて、実際に透析室で働いた経験も交えながらお伝えしたいと思います。
もくじ
【透析室看護師の役割は?】
①患者さんの苦痛を和らげ、安全な透析を管理・観察する
まず、腎不全などで透析が必要になった患者さんは、週に3回(2回の人もいます)透析を行わなければならず、また1回の透析時間も、準備から止血までの時間を含めますと4時間またはそれ以上かかります。
また、透析は月水金もしくは火木土で行う場合が大半であり、もしもそれを怠ってしまいますと、重篤な症状が出たり命に危険が及ぶ可能性もますから、患者さんの心理的・体力的負担は相当なものであるといえます。
透析室看護師は、こうした透析を受ける患者さんの苦痛を和らげ、かつ安全に透析が終わるように管理・観察するという役割があります。
②日常生活のアドバイスや指導
透析患者は食生活や水分摂取量、シャントの管理など日常生活でも気を付けなければならないことが多いです。
ですので、普段の食生活や日常のセルフケアなどに対してアドバイスや指導を行うのも、透析看護師の大きな役割だといえるでしょう。
とくに通院透析の患者さんですと、生活が乱れがちになり食事や水分摂取量が守れなかったりしますので、ときには家族とコミュニケーションを取って、日常生活におけるアドバイスやサポートするときもあります。
ただし、通院透析患者さんのなかには、アドバイスや指導をされることを極端に嫌う方もおり、あまりしつこくアドバイスをしたり上から目線で話をしてしまいますと、機嫌を損ねて逆効果になってしまうこともありますので、アドバイスや指導を行う時にはコミュニケーションスキルも重要となります。
③安心・安全なシャント穿刺
透析クリニックによっては、シャントの穿刺は臨床工学技士さんが主にするところもあるようですが、しかし大半の場所では看護師もシャント穿刺を行います。
シャントは、一般的な静脈とは太さも血流量もまったく違いますから、万が一大きな失敗をしてしまいますと、閉塞を起こしてしまったり感染リスクにもつながりますから、相当なプレッシャーを伴います。
患者さんの苦痛を軽減させるためにも、失敗は極力避け、安心・安全なシャント穿刺を行うことが透析看護師の役割となります。
しかし人間ですから、ときとして失敗することもあります。
ですが、その失敗を最小限に抑え、次につなげられるようひたすら経験値を積んで慣れていくほかありません。
また、これは患者さんから実際に聞いたことなんですが、「たとえ穿刺が上手でも、その他の手技が荒くて雑な人は気分が悪いから入ってほしくない」と言っていました。
例えば消毒や駆血帯の巻き方、回路のつなぎ方など、すべてにおいての行為を安心・安全に行うことが重要だということですね。
見ている方は見ていますから、細かいところまで気を配りましょう。
④スタッフ同士で話し合い、方向性を確認する
透析に関わっているスタッフは、看護師のほかにも医師や臨床工学技士がいます。
患者さんに対するそれぞれの方向性が、スタッフによってバラバラですと治療方針にも影響が出てきますし、安心・安全な透析を行うことも困難になる恐れが出てきます。
ですから、とくに臨床工学技士さんとは話し合いの場を設け、どのような透析をしていくかということを確認する必要があります。
私が透析室で働いていたときは、1人の臨床工学技士さんと看護師の意見が合わず、除水量や除水スピードによって血圧が不安定になってしまったり、患者さんに申し訳ないことをしてしまったことがあります。
ですから、ほかのスタッフとも良い連携を取り、どのような透析を行っていくのかを話し合う場を積極的に設けることも、透析室看護師の役割だといえます。
透析室看護師と臨床工学技士の違いは?
透析室看護師と臨床工学技士の違いは、簡単にいいますと透析看護師は「透析患者のケア」、臨床工学技士は「機械の管理やメンテナンス」を主として行っているところに違いがあります。
臨床工学技士がなぜ患者さんのシャントに穿刺ができるのかと申しますと、「シャント肢は機械」とみなすからなんです。
これは、実際に臨床工学技士さんが教えてくれました。
ですから、私たち看護師は「患者さんの腕に穿刺している」という感覚ですが、臨床工学技士さんの場合は「シャントに穿刺している」という感覚なんでしょうね。
おわりに
超高齢化社会も目の前だと言われている日本では、同時に糖尿病の増加も伴って、透析を受ける患者の数も増えつつあります。
今後は、毎年約1万人ずつ透析患者が増えているともいわれていますから、透析室看護師はますます需要が高まる分野であり、看護師としての仕事や役割も増えていくと思われます。
透析室看護師は特殊な医療行為や看護をしますから、たしかにプレッシャーはたくさんありますが、その代わり看護師としての充実感も味わえる分野だといえます。
合う合わないもありますから、こればかりは何とも言えませんが、透析を極めた看護師は本当にカッコいいです。
興味がわいた方は、透析クリニックや病院の情報収集から始めてみてくださいね。
では、また。
応援いただけると嬉しいですm(__)m
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